これまで通信は標準SIM、マイクロSIM、ナノSIMをスマートフォンに挿入して通信する必要がありましたが、これからはそのSIMカードを入れる必要がなくなる時代が来るかもしれません。
現状のSIMカードの問題点
SIMカードのサイズは標準SIMからマイクロSIM、ナノSIMとサイズが小さくなる方向に進んできました。そのSIMカードの課題には以下のようなものがありました。
電話番号が固定される
電話番号が固定されるため、機種変更のたびにSIMカードを差し替える必要があります。その都度ショップに行ったり、携帯会社に連絡が必要になります。
スマートフォンによってSIMのサイズが違う
SIMフリーのスマートフォンを持っていて、格安スマホを利用している方によくありますが、機種を変えようと思ったらSIMカードのサイズを変更する必要があり、機種変に大きなストレスを感じてしまいます。また変更手数料に2000円ほど取られたり、SIMカードが送付されてくるまでの間、電話が使えないということもあります。
海外に行く際には別途SIMカードを用意する必要がある
海外に行く場合は別途プリペイドSIMを購入して挿し直してAPNやプロファイルの設定を行ってと、手続きが煩雑になり、知識のある人でないと非常に手間がかかります。
新たな規格のeSIMカード
ナノSIMから久しく新たな規格は出てきておりませんでしたが、近年新たな規格のeSIMと呼ばれるものが出てきました。eSIMの「e」は「embedded」の略でスマートフォンに埋め込まれたSIMを表します。SIMカードを挿しこんで使うのではなく、スマートフォンに装着されているため、新たにスマートフォンを購入してもSIMカードを差し込む必要がなくなります。eSIMカードのメリットは以下のとおりです。
- SIMカードの情報を書き換える事ができる
- ショップに行かなくても自宅で気軽に契約を変えることができる
- 複数の端末で電話番号の共有ができる
eSIMが日本で普及するための課題
日本では大手3キャリアがこのeSIMに対応すると考えられますが、この気軽にキャリアを変えられる機能は大手3キャリアにとってはデメリットでしかありません。そのため格安SIMにeSIMを簡単に開放するとは考えづらいのが現状です。楽天が第4のキャリアとして名乗りを上げていますが、楽天が新規客を獲得するためにはeSIMの利便性を訴えて行く必要があるように感じます。eSIMが普及すればアップルウォッチなどのウェアラブルデバイスとの電話番号連携などもできますし、技術的には電話番号の共有ができるということで複数のスマートフォンで同一番号を使うというのもできそうです。早くそのサービスが出てくれば通信費を大幅に下げられるように思いますね。
今後のeSIMに求めること
- 1つのスマートフォンで電話番号を複数の持てるようにしてほしい
- 複数のスマートフォンで1つの電話番号を共有できるようにしてほしい
- 契約切り替えの手続きが素人でもできるレベルになってほしい
既存キャリアにとっては不都合なことだらけではありますが、利便性が世の中全体で見ればこれが求められることだと思います。